Windowsをアップデートしたあと、突然PDFの中身が見えなくなって戸惑っていませんか?
エクスプローラーでプレビューしようとしても「このファイルは問題を起こす可能性があります」なんて警告が出たり、何も表示されなかったり……。
実はこの現象、設定のちょっとした変化やセキュリティ機能が原因で起きていることが多いんです。見落としがちなポイントもあるので、きちんとチェックしておきましょう。
この記事では、PDFのプレビューができなくなる理由と、元通りに表示させるための5つの手順を、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説していきます。
図解やQ&Aもあるので、同じように困っている方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。必要な設定の見直しを行うだけで、意外とあっさり解決するケースもありますよ。
なぜPDFがプレビューできなくなるの?
エクスプローラーでPDFが表示されないときは、さまざまな設定が影響している可能性があります。ここでは主な原因をやさしく解説します。
PDFがプレビューされない症状と考えられる原因
症状 | 考えられる原因 |
---|---|
PDFを選んでも右側に何も表示されない | プレビューウィンドウがオフ、または既定アプリ未設定 |
PDFは開けるがAdobeアイコンではない | 既定アプリがAdobe以外(Edgeなど)に設定されている |
プレビュー表示が一瞬出るがすぐ消える | 保護モードON、またはファイルのブロック状態 |
プレビューの代わりにエラーが出る | キャッシュ破損、Acrobat設定、セキュリティソフトの干渉 |
🔧 Windowsアップデート後にPDFプレビューが表示されないケース
「プレビュー表示をしようとしているファイルは、コンピューターに問題を起こす可能性があります…」という警告メッセージが出て表示されない場合、Windowsアップデートの影響で一部のセキュリティ設定やAdobe Acrobatの動作に変更が加えられていることがあります。
このようなケースでは、以下の点を確認してみてください。
- Windowsセキュリティ(SmartScreen)やDefenderの設定で、ダウンロードファイルのブロックが有効になっていないか
- Adobe Acrobatの「保護モード」がオンになっていないか(→「編集」>「環境設定」>「セキュリティ(拡張)」から確認可能)
- エクスプローラーのキャッシュが破損している可能性(→一度再起動や一時ファイルの削除を推奨)
- プレビュー表示に対応していないアプリに既定アプリが変更されていないか
特に、Windows更新後に突然表示されなくなった場合は、セキュリティや既定アプリの設定が初期化された可能性もあります。プレビューが効かないだけでなく、アイコンがPDFマークでなくなっている場合は、既定アプリの再設定を試してみてください。
📝 ネットワーク共有フォルダ内のPDFがプレビューできない場合の対応(わかりやすく解説)
プレビューできないPDFが、社内や家庭内ネットワーク上にある「共有フォルダ」から開かれている場合、Windowsのセキュリティ機能が“そのファイルは安全でない可能性がある”と判断して、表示を制限していることがあります。
特に、ファイル自体に問題がなくても、インターネット越しではないネットワーク接続(LANなど)でも、Windowsは慎重にチェックを行います。
そのため、何も設定をしていない状態だと、PDFの中身がプレビューできなかったり、サムネイルが表示されなかったりすることがあります。
このような場合は、次の手順を試してみてください。
-
コントロールパネルから「ネットワークと共有センター」を開く
-
「インターネット オプション」>「セキュリティ」タブを開く
-
「信頼済みサイト」を選び、「サイト」ボタンをクリック
-
共有フォルダのアドレス(例:
\\サーバー名\共有名
やfile://~
)を追加し、「OK」で保存
こうすることで、Windowsはその共有先を「信頼できる場所」として扱うようになり、PDFのプレビューも正常に表示されるようになる可能性があります。
なお、ファイルの種類がPDFでなくても、ネットワーク越しでアクセスするファイル全般に対してセキュリティ制限が働くことがあるため、アップデート後に急に表示できなくなった場合は、こうした「信頼済みサイトの設定」が有効な解決策となります。
Windowsの更新で設定が初期化されることも
Windowsアップデートのあと、エクスプローラーの表示設定や既定アプリが初期状態に戻ることがあります。
特に「プレビューウィンドウ」や「サムネイル表示」がオフになってしまっていると、PDFの中身が見えなくなる原因になります。
さらに、PDFだけでなく画像や動画ファイルなど他のファイル形式でも同様の不具合が出ることがあるため、表示に関する設定はこまめに確認しておくのが安心です。
「危険なファイル」としてブロックされている場合
インターネットからダウンロードしたPDFファイルには、Windowsが自動的にセキュリティブロックをかけることがあります。
「このファイルと発行元を信頼する場合は…」といった警告が出る場合は、このブロックが関係しているかもしれません。
ブロックされている場合、表示だけでなくファイルの一部機能も制限されることがあるため、プロパティの確認は欠かせません。
アプリの関連付けが変更されている可能性も
既定アプリが「Microsoft Edge」や「Chrome」などに変わってしまっていると、エクスプローラーのプレビュー機能が使えないことがあります。PDFが意図しないアプリで開いていないか、チェックしてみましょう。
中には一部のアプリでPDFの表示が簡略化されることもあり、正確なプレビュー表示ができない場合もあるので注意が必要です。
プレビューできるようにするための初期設定チェック
まずは基本の設定をひとつずつ確認してみましょう。初心者の方でもできる簡単な方法から順番にご紹介していきます。
🔍 PDFプレビューが表示されないときの基本設定チェック表
チェック項目 | 内容 | 効果の目安 |
---|---|---|
既定アプリの確認 | PDFがAdobe Acrobat/Readerで開くように設定 | ◎ 効果大 |
プレビューウィンドウの表示 | エクスプローラーの表示タブで設定を有効に | ◎ 効果大 |
プロパティのブロック解除 | ファイル右クリック→プロパティ→ブロック解除 | ◎ 効果大 |
Adobeの保護モード設定 | 一時的に保護モードをオフにして確認 | ○ 状況次第 |
キャッシュのリセット | ディスククリーンアップでサムネイルキャッシュ削除 | ○ 効果あり |
1. PDFの既定アプリをAdobe Acrobatに戻す
設定 → アプリ → 既定のアプリ から、「.pdf」をAdobe AcrobatまたはAdobe Readerに設定しましょう。これでプレビュー表示が復活するケースは多いです。
Windowsの設定画面から簡単に切り替えられるので、Adobeアプリがインストールされているかどうかもあわせて確認しておくと安心です。
2. プレビューウィンドウの表示をONにする
エクスプローラーの上部メニュー「表示」タブで「プレビューウィンドウ」にチェックが入っているか確認します。切り替え後は一度ウィンドウを閉じて、再起動してみるのも有効です。
また、「ナビゲーションウィンドウ」や「詳細ウィンドウ」など他の表示オプションが干渉していないかも見てみるとよいでしょう。
3. ファイルのプロパティで「ブロック解除」する
表示されないPDFを右クリック → プロパティ を開き、「ブロックの解除」にチェックを入れて「OK」。これだけで表示されるようになることも。
ブロック解除後は、エクスプローラーを一度閉じてから再起動することで、変更が反映されやすくなります。
それでも表示されないときの追加対策
ここまでの方法でも改善しないときは、ちょっとした見落としや一時的なエラーかもしれません。ほかに試せる方法をまとめました。
4. Adobeの保護モード設定を一時的に見直す
Adobe Acrobatを開いて「編集 → 環境設定 → セキュリティ(拡張)」へ進み、「起動時に保護モードを有効にする」のチェックを一時的に外して改善するか確認します。終わったら戻しておくのがおすすめです。
セキュリティに関わる項目なので、設定変更のあとは元に戻すことを忘れないようにしてください。
5. キャッシュの削除で動作をリフレッシュ
Windowsキー+R → 「cleanmgr」と入力してディスククリーンアップを起動し、「縮小表示(サムネイル)」を含む一時ファイルを削除。その後パソコンを再起動して再確認してみましょう。
これにより、古いキャッシュ情報による表示不具合が解消されることがあります。容量を圧迫している他の不要ファイルも一緒に整理できます。
よくある質問とワンポイントアドバイス
実際によく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。同じようなお悩みがある方は、ぜひこちらも参考にしてくださいね。
Q1:「このファイルは問題を起こす可能性があります」と表示されるのはなぜ?
→ Windowsがファイルの安全性を確認できないときに出る標準的な警告です。信頼できるファイルであれば「開く」を選んでも問題ありません。
このメッセージはPDFに限らず、WordやExcelファイルなど他の形式でも表示されることがあります。
Q2:「KB5066835」の更新が原因って本当?
→ 一部の環境で影響する例が報告されていますが、これはセキュリティ更新なので、アンインストールする場合は必ず自己責任で。
再起動や設定見直しで改善しない場合の最終手段として検討しましょう。状況によっては次回の更新で解消されることもあります。
Q3:設定を全部試したけど直らないときは?
→ 他のユーザーアカウントでログインして確認する、別のPDFソフト(Sumatra PDFなど)で開くなども試してみましょう。
環境によってはWindows自体の修復や再インストールが必要なケースもありますが、まずは簡単にできる方法から順に試してみるのが安心です。
Q4:PDFのプレビューが一瞬だけ表示されて消えるのですが、なぜですか?
→ 一瞬だけ表示されてすぐ消える場合、Adobe Acrobatの「保護モード」が原因の可能性があります。
一時的に保護モードを無効にして挙動を確認してみましょう。また、ダウンロードファイルなどで「ブロックの解除」が必要なこともあるため、ファイルのプロパティもご確認ください。
Q5:PDFを開くとき、毎回Edgeになってしまいます。これを直せますか?
→ はい、PDFファイルの既定アプリが「Microsoft Edge」になっていると、エクスプローラー上でのプレビュー表示にも影響します。
Adobe AcrobatまたはAdobe Readerを既定アプリに設定し直すことで、プレビューも正常に表示される可能性が高まります。
Q6:PDFプレビューだけでなく、画像なども表示されなくなりました。どうすれば?
→ PDF以外のプレビューも表示されない場合、エクスプローラーの「プレビューウィンドウ」がオフになっている可能性が高いです。「表示」タブから「プレビューウィンドウ」を有効にしてください。
また、サムネイルキャッシュの破損が原因のこともあるため、ディスククリーンアップで「サムネイル」を削除して再起動すると改善する場合があります。
まとめ
PDFのプレビューが表示されなくなったときは、慌てずに「アプリの設定」「エクスプローラーの表示設定」「ファイルの安全確認」といった3つの観点から丁寧に見直していくことが大切です。
今回ご紹介した5つのステップを一つずつ実践していけば、原因が特定できる可能性が高く、多くのケースでプレビュー機能を復活させることができます。
とくに既定アプリや表示タブの設定などは、気づかないうちに変更されていることもありますので、基本のチェックを怠らないようにしましょう。また、ファイルの「ブロック解除」や保護モードなども、見落とされがちなポイントです。
焦らず順番に確認することで、難しそうに見えた問題も案外スムーズに解決できることが多いので、ぜひ今回の内容を参考にして、快適な作業環境を取り戻してくださいね。
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