刺身を買うと、よく大根の千切りなどが添えられているのを見かけますね。でも、これを食べるとマナー違反にはなるのでしょうか?私は個人的には、食べることにしています。
一般的に大根の千切りなどの「つま」と呼ばれるものは、食べる人もいれば残す人もいます。インターネットで見ると、意見はいろいろ分かれています。大根を「さっぱりして美味しい」と感じる人もいれば、「まだ食べたことがない」「生臭いかもしれないので食べない」「水っぽいと感じて食べない」という声も聞かれます。
この大根は主に見栄えを良くする目的で使われますが、味のアクセントとしても一役買っています。実は、大根には消化を助ける酵素が含まれていて、刺身と一緒に食べることで、食後の胃のもたれを軽減する助けになります。日本では、刺身のつまを食べることがマナー違反だとはあまり思われておらず、食べるかどうかは個人の好みが大きく影響します。今回は、刺身に添えられた大根のつまについて、食べるべきか?残すべきか?などを詳しくお伝えしますので、是非参考にしてみて下さいね。
刺身に添えられる大根など「つま」の役割とは?
刺身に添えられる「つま」としてよく見られるのが大根の千切りですね。これは「あしらい」とも称され、盛り付けや切り方によって「つま」「けん」「薬味」などと分類されます。大根を刺身の下に敷くことで、豪華な見た目と高さを演出し、全体の印象を美しく引き立てます。
大根のさわやかな味わいは、魚の脂の重さを軽減し、香りと食感が刺身の美味しさをさらに引き立てる役割を担います。刺身は水分を多く含むため、時間が経つと臭みが出やすいものですが、大根の「つま」はこの水分を吸収し、鮮度を保つ手助けにもなります。
また、大根に含まれるイソチオシアネートという成分は殺菌効果があり、冷蔵技術が発達していなかった昔、刺身の保存性を高めるために重宝されていました。さらに、消化を助ける酵素も含まれており、食後の胃腸の負担を軽減します。
つまを食べるべきか、残すべきか?
「つま」を食べることはマナー違反ではなく、栄養面で見ても非常に有益です。豊富なビタミンやミネラルが含まれているため、ぜひ積極的に食べてみてください。
つまの役割と食べ方
刺身に添えられる「つま」は、ただの装飾ではなく、昔から伝わる知恵が詰まっており、食材の保存性を高めるなど重要な役割を果たしています。大根以外にも大葉や穂じそ、小菊、海藻などが使用され、それぞれが刺身を美しく彩ります。外食時につまを残すことがマナー違反とされることはありませんし、食べることが下品だというわけでもありません。
穂じそをほぐして刺身と一緒に食べたり、小菊の花びらを醤油で味わうと、香りが加わり食事の楽しみが増します。
刺身のつまの再利用
家庭で余った刺身のつまは、味噌汁の具として使えます。生臭さが気になる場合は、使用前に水で軽く洗うとよいでしょう。
他にも、余った大根のつまに片栗粉とめんつゆ、チーズを混ぜて焼く大根餅も美味しくておすすめですよ。
刺身と共に添えられる「つま」の役割と歴史
刺身に「つま」が添えられる習慣は、江戸時代中期に始まりました。この「つま」は元々「あしらい」と称され、盛り付けや切り方に応じて「けん」「つま」「からみ」の三つに区分されます。
「けん」とは、大根やニンジン、キュウリなどを細かく切り、刺し身の背後に高く積み上げるスタイルです。「つま」は刺し身の横や手前に配置される小さな量の野菜や海藻、大葉などを指し、刺し身の彩りと味わいを引き立てます。「からみ」とは、ワサビやおろしショウガなど、辛味を添える役割を持つものです。
刺し身のつまの栄養と役割
刺し身のつまに用いられる主な食材の栄養とその役割について、詳しく見ていきましょう。
- 大根 アリルイソチオシアネートという成分が含まれており、その殺菌作用は食中毒の予防に役立ちます。また、豊富な消化酵素により消化を助ける効果もあります。
- 大葉 ペリルアルデヒドが含まれており、その独特の香りが食欲を刺激します。殺菌や防腐効果もあるため、安全な食事に貢献します。
- 穂紫蘇 穂紫蘇の香りは食材の風味を高め、消化を促進する効果があります。抗酸化作用も持ち、健康維持に寄与します。
- 海藻類 海藻には食物繊維が豊富に含まれており、刺し身だけでは補えない栄養を提供します。
- ワサビ アリルイソチオシアネートを含むワサビは、その抗菌作用により食中毒を予防します。
- ショウガ ジンゲロールを含むショウガは殺菌効果があり、魚の臭みを抑えるとともに食欲を促進します。
- 蓼食(たで) 赤紫色の蓼の芽は抗菌作用があり、ビタミンCやポリフェノールが豊富で抗酸化効果が高いです。消化を助け、美肌にも効果的です。
- 小菊 食用の小菊はその美しさで料理を引き立てるだけでなく、抗炎症作用と抗酸化作用が健康をサポートします。
これらの食材は、ただ刺身を美しく見せるためだけでなく、食事の味わいや栄養価、そして食品の安全性を向上させる多様な役割を果たしています。
まとめ
刺身のつまを食べるかどうかはマナー違反ではないため、食べても残しても問題はありませんが、刺し身のつまが赤く変色していたり、長時間放置されていたりする場合は、食べるのを避けたほうがよいでしょう。新鮮な状態のつまは、刺し身と一緒に食べることでその栄養や効果を存分に楽しむことができます。
特に、大根や葉物類などのつまは、消化を助ける酵素やビタミンが含まれており、刺し身の脂っぽさを和らげてくれるため、食事のバランスを整えるのに役立ちます。これらの新鮮なつまを適切に食べることで、ただ美味しいだけでなく、健康面でもさまざまな利点を得ることが可能です。余ったつまは再利用もできますよ。是非、参考にしてみて下さいね。