InDesignが突然フリーズしたり、開いても操作がまったくできなくなると、とても戸惑ってしまいますよね。
特に急ぎの作業があるときは、原因が分からないまま何度も再起動することになり、余計に不安が大きくなってしまうものです。
さらに、作業途中でアプリが止まってしまうと、どこから手をつければいいのか分からず気持ちまで落ち着かなくなることもあります。
そんなときに備えて、この記事では専門的な内容をできるだけやさしい言葉に置き換えながら、落ち着いて試せる“原因別のチェックポイント”を丁寧にまとめました。
ネットワークや環境設定が影響することも多く、少し見直すだけで改善するケースもあるため、順番に確認していただけると安心して進められると思います。
また、基本的なポイントを知っておくことで、今後同じような症状が出たときにも冷静に対応できるようになりますよ。
まず最初に見ておきたい基本チェック
ちょっとした見直しで改善するケースがあります。
他のドキュメントで同じ症状が出るか
複数のファイルで同じ動作になる場合は、データよりアプリ側が影響している可能性が高くなります。
一度デスクトップにコピーして開いてみると、保存場所による遅延が原因なのか切り分けしやすくなりますよ。
Macごと再起動してみる
OS側で処理が詰まっていると、InDesignがうまく動けなくなることがあります。パソコンの電源を一度切ることで内部の状態がリセットされ、アプリの読み込みがスムーズになることもあります。
ネットワークが原因で挙動が止まるケース
報告が多い原因のひとつです。
ネットワークとInDesignの関係
InDesignは起動するときにクラウド情報の確認やライセンスまわりの照合など、いくつかの通信処理を行っています。
こうした動作の途中でネットワークが不安定になると、必要な情報が受け取れずに処理が進まなくなり、そのまま操作が止まってしまうケースがあるんです。
特にWi‑Fiが弱い場所や、接続先が切り替わりやすい環境では、ちょっとした遅延でも影響が出てしまうことがあります。
また、バックグラウンドで別のアプリが通信を使っている場合も、InDesignの起動タイミングと重なって止まりやすくなることがあるため、環境によって挙動が変わりやすい点が特徴です。
一時的にネットワークをオフにする方法
- 画面右上のWi‑Fiアイコンをクリックしてオフにする。
- 有線接続している場合は、ケーブルも一度外して完全に切断した状態にする。
- そのままInDesignを起動し、動作が変わるかゆっくり確認する。
通信を遮断した状態で起動すると、クラウド確認の処理がスキップされてスムーズに立ち上がる場合があり、実際に「Wi‑Fiを切ったらすぐ動き出した」という声も複数報告されています。
特にアップデート直後や、急に挙動が重くなったときは効果が出やすいため、まず試してみる価値は十分にありますよ。
警告ウィンドウが隠れているケース
気づかないまま裏で止まっていることがあります。
Mission Controlで全ウィンドウを確認
Macの3本指上スワイプで開いている画面を広く確認できます。
さらに、複数のデスクトップを使っている場合は、別スペースに警告ウィンドウが移動してしまっていることもあるため、画面上部に並んでいるスペースの一覧もぜひ見てみてください。
とても小さなダイアログが背景に隠れていたり、ほかのアプリのウィンドウの背後に紛れている場合もあり、気づきにくいのが特徴です。
特にInDesignのダイアログはサイズが小さく、通知も目立たないことがあるため、うっかり見落としやすい点にも注意が必要です。
念のため、Mission Controlを開いたままゆっくり目で追っていくと見つかることが多いので、焦らず丁寧に確認してみてくださいね。
環境設定が壊れているケース
設定ファイルをリセットすることで改善することもあります。
環境設定のリセット方法
InDesign起動時に「Shift＋Option＋Command＋Control」を同時押しすると、環境設定が初期状態に戻り、アプリがまっさらな状態で立ち上がるようになります。
このリセットは内部の設定ファイルを作り直す仕組みで、長期間InDesignを使っているうちに蓄積された細かな設定のズレや読み込みエラーが解消されることが多いのです。
設定は初期値に戻るため、カスタム設定を再調整する手間はありますが、そのぶん動作が安定しやすく、起動時の不具合も改善される可能性がぐんと高くなります。
ほかの方法では変化が見られない場合でも効果が出やすいので、確認の最後のほうで試してみると安心ですよ。
フォントやプラグインの影響
起動時に読み込みが止まることがあります。
フォントを一度整理してみる
不要なフォントや重複フォントがあると、読み込みの途中でつまずきやすくなります。
特に長く使っているMacでは、知らないうちにフォントが増えていたり、アプリのインストール時に自動追加されたものが残っていることもあります。
フォントブックを開くと無効化できるフォントや重複しているフォントが一覧で確認できるため、一度じっくり見直してみると読み込みが軽くなる場合があります。
また、作業で使わないフォントを一時的にオフにするだけでも、起動時の負担が減って動作が安定しやすくなりますよ。
プラグインを一時的に外す
アップデート後に互換性が合わなくなるケースがあります。特に外部プラグインを多く使っている環境では、新しいInDesignとの組み合わせで一部のプラグインが正しく動かず、起動処理が止まってしまうこともあるんです。
プラグインフォルダから一度別の場所へ退避し、InDesign単体で立ち上げてみると、問題がプラグイン由来なのか切り分けしやすくなります。
もし動作が改善した場合は、どのプラグインが影響していたのか一つずつ戻しながら確認すると原因にたどり着きやすくなりますよ。
書き出しがうまくできないとき
保存系の動作が止まっているケースです。
別名保存で動作が変わることも
「Shift＋Command＋S」で別名保存を試すと、内部処理がいったん整理され、読み込み直しのような状態になるため、止まっていた処理が進むことがあります。
特に、ファイル内部のリンク情報やキャッシュが原因で動作が詰まっている場合は、別名で保存し直すことで構造が整い、動きが軽くなるケースも少なくありません。
保存先をデスクトップなど別の場所に変えると、書き込みの負担が軽くなり、改善につながることもありますよ。
パッケージ作成が可能か確認
書き出しがうまくできない場合でも、パッケージだけは作成できることがあります。パッケージを作ると必要な情報が一式まとめられるため、問題が単体ファイルにあるのか、それとも書き出し処理にあるのか切り分けやすくなります。
また、idmlファイルに書き出してから再読み込みすると、データの中身が整理され、編集が再開できるケースも多く見られます。
idml化は不要な情報をリセットしつつ構造を再構築してくれるので、最終手段としてもとても有効ですよ。
Mac環境でInDesignが不安定になりやすい場面
外部機器の構成やMac本体の状態によって、InDesignの挙動が左右されることがあります。
外部モニター使用時のウィンドウ挙動
外部モニターをつないでいると、InDesignのウィンドウが別スペースへ移動したり、ダイアログだけが見えない位置へ飛んでしまうことがあります。
特にモニターを増設した直後やケーブルを抜き差ししたタイミングで起こりやすく、アプリが固まったように見えてしまうんです。
こうした状況では、Mission Controlで画面を広く確認するほか、モニターの接続を一度切って再度つなぎ直すと、正しい位置に戻ることがあります。
ウィンドウが迷子になりやすい環境では、作業開始前に画面配置を整えておくと安心ですよ。
ストレージ残量が少ないときの特徴
Macのストレージがいっぱいに近づいていると、InDesignの動作が重くなったりフリーズしやすくなります。
アプリは起動時や保存時に一時ファイルを作るため、十分な空き容量が必要になるんです。
空き容量が少ないと「保存できない」「反応しない」といった症状につながることがあるため、定期的に不要ファイルを整理しておくと動作が安定しやすくなります。
特に画像データや大きめのPDFが溜まっている場合は、外部ストレージに移動するだけでも大きな改善につながりますよ。
作業データの保存場所による違い
保存先によって処理速度やInDesignの安定性が変わることがあります。
外付けSSD・NAS使用時の注意点
外付けSSDやNAS上に直接データを置いて作業している場合、読み込み速度やネットワーク状況によって処理が不安定になることがあります。特にNASは通信状態に左右されやすく、ちょっとした遅延がInDesignのフリーズにつながることも。
外付けSSDでも、ケーブルやポートの状態によって速度が不安定になることがあるため、調子が悪いときは一度Mac本体にデータをコピーして作業してみると改善することがあります。
ローカル保存とクラウド保存の役割
クラウド保存は便利ですが、同期が重なるタイミングでは動作が遅くなりやすくなります。
InDesignのプロジェクトデータはサイズが大きいことも多いため、編集作業中は一度ローカル（Mac本体）に保存しておくほうが安心です。
クラウドへは作業終了後にアップロードするスタイルにすると、フリーズや保存エラーを避けやすくなります。
よくある質問（Q&A）
Q1：InDesignが完全に固まった場合、強制終了しても大丈夫？
強制終了は最終手段として使えますが、毎回続く場合は設定ファイルやネットワークが原因の可能性があります。記事内のチェックを順番に試して、根本原因の切り分けをするのがおすすめです。
Q2：ネットワークを切ると使えるのはなぜ？
起動時にクラウド情報の確認が行われ、その通信が不安定だと処理が止まってしまうことがあります。通信を遮断するとそのチェックがスキップされ、正常に開けるケースがありますよ。
Q3：警告ウィンドウが見つからないときはどうすればいい？
Mission Controlで全画面を一覧表示し、別スペースやほかのウィンドウに隠れていないか丁寧に確認してみてください。特に小さなダイアログは見落とされがちです。
Q4：環境設定をリセットすると何が変わるの？
蓄積されていた設定ファイルが初期状態に戻り、読み込みエラーや動作不良が改善されることがあります。設定のやり直しは必要ですが、改善率が高い方法です。
Q5：idmlに書き出すと直ることがあるのはなぜ？
idml形式はファイル構造を再構築するため、壊れた情報や不要データが整理されます。そのため、開き直すと正常に編集できる状態に戻ることがあります。
関連：Outlookのインターネットセキュリティ警告の対処法
メールアプリで突然の警告が出て作業が止まってしまう場合、設定まわりが影響していることがあります。こちらの記事では、警告の原因や見直しポイントをわかりやすく解説しています。
まとめ
InDesignが固まってしまうと不安になりますが、今回ご紹介したようにネットワークや設定まわりが原因になっていることも多く、少し確認するだけで改善するケースがたくさんあります。
気づきにくい小さなウィンドウが裏で止まっていたり、設定が蓄積して動作が重くなっていることもあるため、順番にゆっくり見直してみてくださいね。
また、見直すポイントを一つずつ丁寧に確認していくことで、原因を自然と絞り込めるようになり、落ち着いて対処できるようになります。どれも難しい操作ではないので、焦らず一つずつ進めれば大丈夫です。
必要に応じて別の方法も組み合わせながら、負担の少ないやり方で試してみてくださいね。
