突然、ExcelやWord、PowerPointのアイコンが変わっていてびっくりしたことはありませんか?いつもの見慣れたマークが突然変わっていると、「あれ?何か壊れたのかな?」と不安になりますよね。
特にパソコンに詳しくない方にとっては、アイコンの変化が“異常”に見えることもあると思います。
「デザインが違う」「白紙になっている」「別のアプリみたいになってる」──そんなとき、何かトラブルが起きたのでは?と心配になりますが、実はその多くが正常な変更です。
Microsoft Office 2019やMicrosoft 365で使用されるアプリのアイコンは、Microsoftによる公式デザイン更新で、見た目を統一してよりモダンに見えるよう調整されています。
つまり、ほとんどの場合は不具合ではなく“デザインリニューアル”なんです。
ただし中には、Windows10側でアイコンキャッシュ(アイコン画像を一時的に保存する仕組み)が壊れていたり、設定の乱れが原因で、アイコンが白紙や別のデザインに崩れてしまうこともあります。このような場合は、ちょっとした操作で元の状態に戻すことが可能です。
この記事では、Officeのアイコンが変わったときに考えられる原因と、正常な変更か不具合かを見分けるポイント、さらに元に戻すための具体的な手順を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
どなたでも順を追って確認すれば、安心して元の状態を取り戻せます。焦らずに、ひとつずつ試していきましょう。
Officeのアイコンが変わる原因とは?
まずは「なぜ変わったのか?」を知ることで、慌てず冷静に対応できます。
Microsoftのデザイン刷新が主な理由
2025年のアップデートで、MicrosoftはOffice 2019やMicrosoft 365のアイコンを新デザインに統一しました。
従来よりも色味が柔らかく、立体感を抑えたフラットな印象になっています。Office全体の統一感を重視し、Windowsやモバイル版、ウェブ版でも一貫した見た目になるよう調整されています。
また、アクセシビリティや可視性を考慮した改良も加えられ、よりモダンで洗練された印象を与えることを目的としています。
これは世界的に行われている大規模なデザイン刷新であり、あくまで見た目の変更にすぎません。不具合ではなく、安心してそのまま使用できる更新です。
| 更新内容 | 対象 | 影響 |
|---|---|---|
| 新デザイン導入 | Office2019 / 365 | 見た目のみ変更、機能は同じ |
| ロゴ刷新 | Word / Excel / PowerPointなど | カラーや質感の統一 |
白紙や崩れた表示はキャッシュ破損の可能性
もしアイコンが真っ白だったり、別のアプリのように見える場合は、Windowsの「アイコンキャッシュ」という仕組みが壊れている可能性があります。
アイコンキャッシュとは、パソコンがアイコン画像を一時的に保存しておくことで表示を高速化する仕組みのことです。これが何らかの原因で破損すると、正しいアイコンが表示されず、白紙や見慣れないデザインに置き換わってしまうことがあります。
原因としては、Windowsのアップデートや一時的な不具合、外部ストレージの取り外しなどが挙げられます。
特に長期間シャットダウンせずスリープを繰り返している場合にもキャッシュの破損が起きやすくなります。
キャッシュを再構築することで、通常は短時間で正しいアイコンに戻すことができます。操作も難しくなく、初心者の方でも数分で行える簡単な修復方法です。
Office2019のアイコンが変わったときの見分け方(正常か不具合か)
「これって不具合?それとも普通?」と迷ったときのチェックポイントです。
デザイン変更だけならそのままでOK
アプリが問題なく開けて、WordやExcelのファイルが普通に動くなら、それは単なるデザイン更新です。
Microsoftが順次配信している新デザインなので、特別な操作は不要です。もし少し見た目が変わって戸惑っても、機能面には影響がありません。
アイコンの形や色合いが以前と違って見えるだけで、中身の操作性や保存データはそのままです。
また、このデザイン更新は一部のユーザーから段階的に反映されるため、他のパソコンではまだ旧デザインのままの場合もあります。
つまり、複数台のパソコンで違うアイコンが並んでいても不具合ではないということです。時間が経つとすべての端末に統一デザインが行き渡りますので安心してください。
見慣れないうちは違和感があるかもしれませんが、使い続けるうちに自然と馴染んでくるでしょう。
白紙や別アイコンなら修復が必要
もしアイコンが白紙や汎用アイコンになっている場合は、不具合の可能性が高いです。
そのような場合、パソコンがアイコン情報を正しく読み込めていない、または関連付けの設定が壊れていることが考えられます。
アイコンが真っ白になったり、別のアプリのマークが表示されるのは、そのアプリとの関連データが破損しているサインです。
特にWindows10ではアップデートやソフトの再インストール後にこの現象が起こりやすく、放置すると混乱を招くこともあります。
慌てず、次の「不具合でアイコンが崩れたときの修復手順(Windows10対応)」を順番に試してみてください。アイコンキャッシュを再構築したり、既定アプリをリセットしたりするだけで、短時間で元の状態に戻るケースがほとんどです。
また、作業の前には念のためパソコンを再起動して、表示が改善するかも確認しておくと安心です。
初心者の方でもゆっくり手順を追えば簡単に直せますので、焦らず取り組んでみてください。
デザイン変更だった場合の対処(見た目を戻したい人向け)
「やっぱり前のアイコンが落ち着く…」という方はこちら。
旧アイコンに戻す公式設定がない理由
Microsoftは新しいデザインを全世界で統一するため、旧デザインを選べる設定を廃止しています。
かつてはバージョンごとに微妙に異なるデザインを採用していましたが、ユーザー体験の一貫性を重視する流れから統一化が進みました。そのため、Office2019以降は旧デザインを選択するオプションが公式には存在しません。
一部のユーザーの間ではWindows Updateを削除して旧アイコンに戻す方法が知られていますが、これは推奨されません。
セキュリティリスクが高まるだけでなく、他のアプリにも影響を及ぼす可能性があります。
また、再起動や次回の自動更新で再び新デザインに戻ることが多く、根本的な解決にはなりません。どうしても旧デザインを維持したい場合は、後述するショートカットアイコンの変更を利用するのが安全で現実的です。
ショートカットのアイコンだけ変更する方法(見た目だけ戻す)
どうしても旧デザイン風にしたい場合は、ショートカット単位でアイコンを変更する方法があります。操作自体はとても簡単で、どなたでもすぐに行えます。
例えば、デスクトップ上のWordやExcelのショートカットを対象に設定すれば、まるで昔のOfficeを使っているような懐かしい見た目に変えることができます。
- デスクトップのショートカットを右クリックし、「プロパティ」を開く
- 「ショートカット」タブ内の「アイコンの変更」をクリック
- 任意の.icoファイル(旧デザイン風のものなど)を選択し、「OK」を押して保存
- デスクトップ上に戻ると、設定したアイコンがすぐに反映されます
見た目だけ昔風にできますが、アプリ本体には影響しないので安心です。機能や動作に変化はなく、見た目だけをカスタマイズできる安全な方法です。
また、気分を変えたいときには再度同じ手順で新しいアイコンに変更することも可能です。自分の好みに合わせて、より愛着の持てるデスクトップ環境を楽しんでください。
不具合でアイコンが崩れたときの修復手順(Windows10対応)
白紙や崩れた表示の場合は、ここから順番に試せばOKです。
手順①:アイコンキャッシュを再構築する
※まず、Windowsキーを押して検索欄に「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選びます。以下の操作は、このコマンドプロンプト上で行います。
アイコンが正しく表示されない場合、まずはキャッシュの再構築を試します。
この作業はWindowsが内部で保持しているアイコン情報をリフレッシュするもので、古いデータを削除し、新しい情報を再生成させる工程です。
キャッシュが破損していると、いくらアプリを再起動しても表示が直らないことがありますが、再構築によって多くのケースで改善します。
以下の手順を順番に実行してください。初めての方でも、説明通りに進めれば安全に行えます。
1. エクスプローラーを一時停止します
下のコマンドを1行入力して Enter キーを押します。
taskkill /IM explorer.exe /F
2. 古いキャッシュデータを削除します
続けて以下の2行を入力後に Enter キーを押します。
del /a /f /q "%localappdata%\IconCache.db"
del /a /f /q "%localappdata%\Microsoft\Windows\Explorer\iconcache*"
3. エクスプローラーを再起動します
最後に以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。
start explorer.exe
これで自動的に新しいキャッシュが作成され、正しいアイコンが再表示されます。
作業が終わったらパソコンを再起動し、表示が安定しているか確認しましょう。もし1回で改善しない場合は、もう一度同じ手順を試すことで解消することもあります。
手順②:既定アプリをリセットする
WordやExcelのアイコンが別のアプリのものになっている場合や、ダブルクリックしても正しいアプリで開かないときは、既定アプリ設定のリセットを試してみましょう。
これは、Windowsが「どのアプリで特定の拡張子を開くか」を管理している設定を初期状態に戻す操作です。
操作手順は次の通りです。まず、画面左下のスタートボタンをクリックし、「設定」→「アプリ」→「既定のアプリ」を開きます。
その中にある「Microsoft 推奨の既定値にリセット」をクリックしてください。これにより、Word・Excel・PowerPointなどOffice関連のファイルが本来のアプリに再び関連付けされます。
設定をリセットしたら、一度ファイルを開いて動作を確認しましょう。アイコンが正しく表示され、クリックしたときに正しいアプリが起動すれば成功です。
関連付けが崩れているときに非常に有効な方法で、短時間で改善が期待できます。
手順③:Officeを修復する
Officeのファイル関連設定が壊れていたり、キャッシュ再構築や既定アプリのリセットでも直らない場合は、Office自体を修復してみましょう。
この操作を行うと、破損した内部ファイルを再構築し、設定を初期化してくれます。特に長年アップデートを繰り返している環境では、修復で改善することが多いです。
操作手順
- 画面左下のスタートボタンをクリックし、「コントロール パネル」を開きます。
- 「プログラムと機能」を選び、一覧から「Microsoft Office 2019」を探します。
- 該当項目をクリックして「変更」を選択します。
- 「クイック修復」または「オンライン修復」を実行します。時間に余裕がある場合は、より完全な「オンライン修復」がおすすめです。
修復が完了したら、パソコンを再起動してアイコン表示を確認してください。ほとんどの場合、アイコンやファイル関連付けが元通りになります。
もし一度で改善しない場合は、再度修復を行うか、Windows Updateを最新にすることで安定するケースもあります。
それでも直らないときの追加確認ポイント
直らないときは、見た目や設定を再チェックしてみましょう。
Officeテーマの色味変更を試す
Officeのテーマ設定を変えることで、意外にもアイコン全体の印象が大きく変わることがあります。
たとえば「白」テーマでは明るくシンプルな印象に、「濃色」では落ち着いた雰囲気になり、デスクトップ全体の見え方も変化します。
光の反射や背景色との対比によって、同じアイコンでも印象が違って見えるため、テーマの切り替えは試す価値があります。
テーマを変更するには、任意のOfficeアプリ(WordやExcelなど)を開いて「ファイル → アカウント → Officeテーマ」の順にクリックします。
そこから「白」「カラフル」「濃色」「黒」などを選んで、自分に合った配色を選択してみてください。好みに合わせて変更することで、視認性や作業のしやすさも向上します。
Microsoft 365表示は見た目だけの違い
Office2019を使用していても、「Microsoft 365」と表示されることがあります。これはライセンス変更ではなく、見た目の統一によるものです。
Microsoftがすべての製品ラインを統一デザインにしているため、アプリ上では同じように見えることがありますが、実際の契約や機能に変更はありません。
気になる場合は、「ファイル → アカウント」から製品情報を確認してみましょう。
更新プログラムの削除は最終手段
どうしても旧デザインに戻したい場合、更新プログラムを削除する方法もあります。
ただし、この方法は推奨されません。削除しても次回の自動更新で再び新しいデザインが適用されるほか、セキュリティリスクを伴う可能性もあります。
それでも、もし実行する場合は「設定 → Windows Update → 更新の履歴 → 更新プログラムのアンインストール」から行います。
必ず自己責任で実施し、重要なデータは事前にバックアップしておきましょう。
よくある質問(FAQ)
更新後にOfficeのアイコンが消えた場合の対処法は?
更新直後にアイコンが一時的に消えることがありますが、再起動またはアイコンキャッシュの再構築で解決します。特にWindows Updateの直後は一時的な表示不具合が起こりやすいため、焦らず再起動を試してみてください。
アイコンのデザインが他のPCと違うのはなぜ?
Microsoftは段階的に新デザインを配信しているため、端末ごとに反映される時期が異なります。数日〜数週間で統一されるので、特別な操作をしなくても自然に揃います。
昔のアイコンに固定する方法はある?
Office設定から旧デザインを選ぶことはできませんが、ショートカットのアイコンを手動で変更することは可能です。
関連付けが変わったときの直し方は?
「設定 → アプリ → 既定のアプリ」から、Word・Excel・PowerPointを再設定してください。
全て試しても直らない場合は?
Windowsのユーザープロファイル破損が原因の可能性があります。新しいユーザーを作るか、SFC/DISMコマンドで修復を試しましょう。
まとめ:Officeアイコン変更は多くが正常。崩れたら修復でOK
Office2019やMicrosoft 365のアイコンが変わっていても、ほとんどの場合はMicrosoftによる正式なデザイン変更です。驚く必要はありません。
むしろ、見た目の統一や可視性向上など、日々の使いやすさを考慮した改善が反映されています。
慣れないうちは違和感を覚えるかもしれませんが、時間が経つと意外と新しいデザインの方が見やすいと感じる人も多いです。
ただし、アイコンが真っ白になったり、崩れて表示される場合は、Windows10側のキャッシュや設定に問題があるケースもあります。そんなときは慌てず、次の3つのステップを試してみましょう。
- アイコンキャッシュを再構築:壊れたキャッシュを削除して正しい表示を復元します。
- 既定アプリをリセット:ファイルとアプリの関連付けを初期状態に戻します。
- Officeを修復:アプリ内部の破損を修正して安定動作を取り戻します。
これらの手順で多くのケースは解決します。もし一度で直らない場合でも焦らず、Officeのテーマ変更や設定の再確認を行ってみてください。
デザインや配色を調整するだけで印象が変わり、より快適に感じられることもあります。
新しいアイコンは、今後のWindows全体の統一デザインに合わせたもので、シンプルかつモダンな見た目に進化しています。少しずつ慣れながら、自分にとって心地よい使い方を見つけていきましょう。

