タッチタイピングって何?
タッチタイピングとは、キーボードを見ずに指先の感覚だけで文字を入力する技術のことです。これによって、画面とキーボードを交互に見る手間が省け、タイピングのスピードが上がり、体への負担も軽くなります。
さらに、コンピュータを使った試験方式CBT(Computer-based Testingの略)の普及に伴い、大学入試でもパソコンで解答する方式が検討されています。この場合、テキスト入力のスキルが求められるので、タイピング技術がますます重要になってきます。
かつては「ブラインドタッチ」と呼ばれ、キーボードを見ずに入力する技術を指していました。私の学生時代もこの用語が使われていましたが、「ブラインド(blind)」という言葉が「視覚障害」を意味するため、不適切とされることがあり現在では、より中立的で適切な表現として「タッチタイピング」という用語が広く使われています。
では、タッチタイピングを習得するためにはいつから、どのような練習方法があるのでしょうか?そして、上達のポイントは何でしょうか?これらについて詳しく解説します。
タッチタイピングの練習方法
タッチタイピングをマスターするためには、以下のステップで練習すると効果的です。
1. ホームポジションを覚える
ホームポジションとは、キーボード上で指を置く基本の位置です。左手の人差し指は「F」、右手の人差し指は「J」に置き、各キーの位置を正確に把握します。
2. 各キーの入力方法を学び全部の指を使う
キーボードには多くのキーがありますが、ホームポジションから指をどのように動かして入力するかを学びます。指の動きと位置をしっかりと理解しましょう。両手の全部の指を使った入力をすることで、感覚でキーの場所を覚え、文字入力を効率よくできるようになります。
3. 母音の入力を練習する
ローマ字入力では母音の使用頻度が高いため、「あいうえお」のキーとそれを押す指の動きを覚えます。最初は指を見ながらでも構いませんので、ホームポジションから反復練習を行います。
4. 自分の名前を繰り返し入力する
自分の名前は頻繁に入力する機会があるため、練習に最適です。同じ文字を繰り返し入力することで、指の動きが自然に身につきます。
5. 簡単な単語の入力練習
名前に比べて短い2語、3語の単語を練習します。動物や天気、家具など、日常的に使う言葉や目についたものを10個から20個リストアップし、順番に入力してみましょう。文字数が少ないため、比較的簡単に練習できます。
6. タイピングソフトやオンライン練習サイトを利用する
有料のタイピングソフトやオンライン練習サイトを使うと、体系的に学ぶことができます。ホームポジションから始まり、簡単な単語や複雑な文章まで、ゲーム感覚で楽しく練習できます。
7. 定期的に練習する
タッチタイピングを一度覚えると、自然に指が動くようになります。毎日少しずつ練習を続け、スキルが落ちないようにしましょう。時間に追われる段階を過ぎると、落ち着いて正確な入力ができるようになりますよ。
タッチタイピングをマスターする方法
タッチタイピングを上達させるためのポイントは次の通りです。
1. ホームポジションを覚え、指をその都度戻す
ホームポジションとは、キーボード上で指を置く基本の位置で、突起がある「F」と「J」のキーのことです。この位置をしっかりと体に覚えさせることが重要です。どの文字を打つ場合でも、効率よく指を動かすために、文字を入力し終わったら指をホームポジションに戻してセットするようにしましょう。この基本を早めに習得するのが望ましいです。
2. 正しい姿勢を保つ
タイピングをする際の姿勢も重要です。肘を90度に曲げ、ディスプレイの高さを視線のやや下に調整し、背筋を伸ばして座りましょう。慣れてきたら、姿勢が崩れていないか、画面との距離が適切かを確認することも大切です。
3. 手元を見ずに入力する
最初のうちは手元を見てしまうのは仕方ありませんが、慣れてきたら手元を見ずに練習しましょう。間違えた時は、どの文字やキーが苦手かを把握し、そこを重点的に練習することで上達します。また、画面を見ながら入力することで、自然と姿勢も良くなります。
4. 長文を入力する
単語やフレーズの練習が終わったら、実際の文章を入力する練習を始めましょう。最初は自分が考えた短い文章で構いませんが、徐々に長い文章を入力できるようにします。これにより、メールや文書作成のスキルが向上し、入力速度と正確さも増します。私は、YouTubeを会話速度を少し遅くして流しっぱなしにした状態で、その音声を聞きながら入力の練習することもありました。
5. ショートカットキーを覚えて使う
ショートカットキーを覚えて実際に使ってみることで、タイピングの効率が大幅に向上します。例えば、コピーやペースト、ひとつ前の状態に戻すなどの基本的なショートカットを覚えて使えるようになると、とても便利です。この他にも、テキストを全て選択する、部分的に文字列を選択するなど、文字入力の際に便利なショートカットキーが活用できます。
6. 少しでも毎日練習する
慣れるまでは日数を空けてしまうと、覚えた事を忘れがちです。なので、毎日少しずつでも練習を続けることが大切です。たとえ短い時間でも地道に続けることで、タイピングの精度や速度が上がります。さらに、スピードだけでなく正確さを意識して練習することで技術が向上します。
タッチタイピングの練習を始めるタイミングは?
タッチタイピングを始めるタイミングは、スキル自体が練習次第で習得できるものなので、どの年齢でも始めることができます。
一般的に、小学校3年生でローマ字の学習を始めるため、早めに練習を始めたいなら、小学2年生ごろから取り組むのが良いでしょう。早くから練習することで、学校の授業でローマ字を学ぶ際にもスムーズに進む可能性があります。大人になってからより指先の動きや覚えが早いのもメリットと言えます。
また、2020年度からは小学校でプログラミング教育が必修となり、GIGAスクール構想により端末を1人につき1台配布されるといったように、子どもたちがコンピューターに触れる機会が増えてきています。これにより、早めにタイピングスキルを正しく身につけたいというニーズが高まっています。
タブレット学習なども増えてはいますが、学校の授業でパソコンを使う際にはタイピングが必要になることが多いため、事前にタッチタイピングを習得しておくと、自信を持って授業に臨むことができます。
さらに、タッチタイピングをマスターすると、文字入力が速くなるだけでなく、手元を見ずに入力できるため姿勢が良くなり、体への負担も軽減されます。入力時間が短縮されることで、授業やテストでの確認時間も確保でき、ミスを防ぐ助けにもなります。
中学や高校、大学、専門学校、さらには就職後もパソコンでのタイピング機会は増えていくので、早めに練習を始めることをおすすめします。
まとめ
タッチタイピングを効率的に習得するためには、以下の5つのポイントに注意すると良いでしょう。
1. 両手の全ての指を使ってタイピングする
2. ホームポジションを覚え、常にホームポジションに指を戻す
3. ミスを気にせず、手元を見ないことを意識して練習を続ける
4. 速さより正確性を重視してスピードは少しずつ上げる
5. 毎日短い時間でも良いのでタイピング練習を継続する
キーボード入力は最初は難しく感じるかもしれませんが、習得すればスムーズにタイピングできるようになります。重要なのは、慣れることです。進化したパソコンや新しい機種が開発されても、キーボードの基本的な配列はほとんど変わりません。
継続的に練習することで、小学生でもタッチタイピングを習得することができます。これからの学習や仕事で役立てるためにも、できるだけ早く効果的な練習を始めることをおすすめします。